シーズン3で打ち切られたようだけど、もうこれ以上に何を求めればいいのか分からない程。ウィルとハンニバルは完成してしまったと思う。
犯罪者の深層心理を“理解”できてしまうウィルは、その恐怖と孤独と共に生きてきて、ハンニバルと出会ってしまった。普通だったら人を食う化け物に執着されて、侵食されてしまったらとんでもなく病むだろうし正気じゃあいられないだろうに、本来ならウィルの魂はあちら側(化け物側)にあったために理性と欲望の間で酷く苦しむ羽目になっているのであって......。自分の居るべき場所の在処を知ることによって充足感や安心感を抱いているんだ。
それにしても、ウフィツィ美術館の場面ほど美しい場面はないと思う。シーズンを通して1番好きだ.........【一生君といることになったとしても、この時を忘れない。】ハンニバルのセリフ、あまりにもロマンチックすぎませんか?しかも、ウィルのことぶっ刺した後出会ってすぐの第一声。本主題が“Dolce”なのも見事で、すべてが終わってしまった後、それは食事の後のデザートのような甘い幸福感に満ちていて。2人は触れ合ってすらいないものの、まるで抱き合ってるかのようだし、ハンニバルのおかえり愛しいハニーと言わんばかりの視線と、ウィルの戸惑いと陶酔の入り交じった視線と、なにこれすごい。過激で緊迫感のある場面が多い中、この時間この場所だけは、まるでふたりが家でくつろいでいるようなゆったりとした時間で、そりゃ“太った豚を買いに市場から市場へ、行ってもすぐまたおうちへ、おうちへ”とマザーグースをご機嫌に口ずさむハンニバルもいるわけですよ、もう私はずっとこれでいいよ()
ウィルがハンニバルを何度も拒絶し、離れたそばからまた自分から歩み寄ってしまう様子も、いじらしい。最後、表裏一体の2人がようやく、やっと面と向き合って抱きしめ合うことができて、迷子だった心はようやく元の場所に帰ることができたんだね。崖から海に落ちる様子はシャーロック・ホームズとモリアーティ教授に重なった。まさしく表裏一体のそれだし。ハンニバルを見てると、人を殺したり、食べることが悪い事だって認識が削がれていって、ウィルがやっとハンニバルと同化したことに歓喜してしまったけど、それってやっぱ駄目な事だし......(今更)海に堕ちて還って、自らの理性に苛まれることなく、ハンニバルと共に在れていれば良いな。それから2人はどうなったんだろう。とても知りたいし、別に知らなくてもいい気がする。
でも最後のBGMだけはあんまり好きじゃない ゴルトベルク変奏曲じゃ駄目だったのかなー