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전체 공개 ・ 2025.04.02

2025.04.01 (Tue)
聴了。 なるほど売れたのはよくわかる。 ひと組の「現代の結婚」の陰にある、さまざまな感情の揺れ動きを、傲慢と善良という二極に収斂させていく著者のテクニックは見事だ。 真実(まみ)が人生を通じて「善良」の心の内に溜め込んでいた劣等感や他者への羨望、地方都市の親元で育てられる閉塞感と無力感は、100点の結婚相手を見つけることで打破できたと思ったのに、勝ち組の女たちには全てが見透かされていた。どうやっても勝てない、と思った時、行動は「傲慢」へと逆転する。 一方の架(かける)は、傲慢な人生を送ってきたツケで婚期を逃した。妥協したつもりはないが、本当にこれで良いのか、と70%しか決意できていない。それが次第に100へと近づいていくことを、ゆっくりと感じてきたところに真美が失踪する。自ら能動的に真実の周囲を「捜査」するうち、これまでの受動的なアチチュードでは辿り着かなかった愛情に気づく。 しかし、読後に残るのは、真実の傲慢さばかりだ。モラトリアム発作的にボランティアに参加して、自身の気持ちに気づくのは良いが、結果的には架の気を向けて、さらに引け目すら感じさせたわけだ。それこそ美奈子から見たら、「うまくやった」どころの話ではない。やっぱりあの子はやめておいた方がいい、と言いそうな気がするが、時すでに遅しである。架とはずっと仲良くしたい、あわよくば、と思っている美奈子に対する仕返しとしては充分効果があっただろう。そんな効果を鈍い架が気づくことはあるまいが。 乾坤一擲の傲慢な逃避は、結婚を互いの家族からも友人からも引き剥がし、2人だけのものにした。というと真美に感情移入できる読者には爽快な結末かもしれないが、実際のところは真美ひとりの独善的な結婚となったわけで、架のこの先が気がかりでならない。架が友人か後輩なら、僕も「やめといた方がいい」と言うかもしれない。 映画もそこそこ評判良さそうだが、多分観ない。