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전체 공개 ・ 2025.05.14

2025.05.13 (Tue)
終始ぼんやりと眼に涙を浮かべながら聴いていた。オーディオブックには、涙目でもぼやけずに味わえるという利点があることを知った。 高校球児の3年間を、シングルマザーの視点で描いた「母親の甲子園物語」なのだが、こんなに共感できる?というシーンの連続で、スポーツをする子の親には全員読んでほしいし、そうでない人々も絶対感動できる。 激戦区の大阪で、創部10年目の野球部が常連校に挑んで初出場を目指す。その背後にある監督、父母会の光と闇。 息子のために役員となって頑張る菜々子の気持ちが痛いほどわかる。 入寮後に痩せたことだったり、ピッチャーを諦めたこと、伝令で空気を変える役割、そして人間的には信頼できない監督が最後にピッチャーをやらせること、などなど、部活内部で起こったこと、航太郎本人の葛藤や心情などは描かずに、ひたすら母親からの近視眼的な視点に徹して話が進む。 航太郎みたいな人間的に優れた子は多くないと思う。けど、菜々子のように一途に息子を愛する気持ちがあれば、子どもには伝わるんだろう。純粋に「いい親子」だ。 一度だけ「野球辞めたい」と電話をしてきた夜とか、3年生の引退試合のくだりとか、印象に残ったシーンはたくさん。 ラストはちょっと出来すぎな感じもしたけど、ドラマとしてはちょうど良い盛り上がりかもな。 読後、話の筋はまったく違うが、重松清の『とんび』を読んだ時の感覚が蘇った。親の子に対する気持ちなど、何千年も描かれ続けているはずだし、高校野球のストーリーも無限にあるはずなのに、徹底した母親の一人称によって、ずっと心がゆらされ続ける物語だった。